休耕田の有効活用のための園芸作物・畑作物栽培の可能性の検討

活動の概要

水稲が基幹作物である滋賀県の農業においては、コメの生産調整の拡大とともに水稲に代わる収益性の高い作物を導入し、地域農業の活性化を図る必要があります。私達は、東近江市の休耕田の一部を利用し、良質な近江米を生産してきた土壌とこれらの地域の農業生産者の技術力を活かして、水田転換畑における果樹類や畑作物の生産の可能性を探ることにより、地域特産物を生み出し、地域の活性化に繋げることを目的に活動をはじめたところです。

休耕田を畑として有効活用

活動の内容

永年作物である果樹類を水田転換畑に導入する場合、転作後の土壌の酸化に伴う有機物の減耗による地力の低下が問題となります。環境調和型の生産では、低投入型の農業生産を維持し得る継続的な有機物施用方法を確立する必要があり、地力維持の方策として地力増強作物の導入があげられます。そこで、プロジェクトを開始した初年目は、果樹類の苗木の定植までの期間に景観性に優れる緑肥作物を栽培し、そのすき込みによる有機物の補完の可能性を探るとともに、緑肥による景観創成を視覚化することで新たな取組みを地域に知って頂くことにしました。さらに、耐湿性が脆弱な果樹類の試験栽培のために、深根性に優れる畑作物を試験栽培し、その効果と収量性を検証しています。
現在、気象条件、水田転換畑の土壌条件、生産物の商業的価値等を考慮し、どのような樹種をどのような方式で栽培するのが最も有効であるかを検討しているところです。植栽する樹種としては、大消費地(大阪・京都)に近いことから完熟果の収穫が可能であるメリットと水田転換畑での耐湿性を考慮して、カキ、ブドウ、カンキツ等の栽培の可能性を探る予定です。また、結果年齢の短縮をめざし、根域制限栽培の可能性も検討し、導入品種には、最近リリースされ栽培が広がっていない将来有望と思われる品種を優先的に選択して試験栽培します。

転換畑で試作しているマメ科 緑肥植物

これまでの成果

水田の高度利用と農耕地の保全における喫緊の課題としてあげられる水稲に代替し得る農作物の生産に関して、地域に特化した具体的な知見を得ることを目的に研究プロジェクトをスタートさせました。すなわち、地域の特産物となる可能性がある果樹ならびに畑作物の転換畑への導入と、その栽培において、滋賀県の特徴である環境調和型作物生産の可能性を探ることで、新たな地域農業の構築が期待でき、本地域の活性化に繋げることが可能になると考えています。また、事業遂行の過程を通して、新たな就農者の育成にも貢献できればと思っています。

水田転換畑を活用し、新たな特産物を産むと共に就農者の育成にも貢献

今後の目標・課題

導入を試みている作物の一つである果樹類は、生鮮農産物として商品価値が高いだけでなく、種々の加工を経て多様な農産物として販売できることから、本プロジェクトではこれらの作物を安定して生産し、かつ流通過程も含めて環境への負荷を軽減した転換畑での生産体系を確立したいと考えています。なお、生産から消費の過程を環境調和の視点から俯瞰し得る人材育成を目的に設立された龍谷大学農学部の教育理念を鑑み、本学の教育活動とも連携してプロジェクトを遂行することで学生教育にも波及効果が得られるものと考えています。

受賞・助成採択実績

  • 「環びわ湖大学・地域コンソーシアム」大学地域連携課題解決支援事業(2015年度採択)
【他団体・グループとの連携について】連携可

連携先へのメッセージ

滋賀県内の水田転換畑を利用した地域特産農作物生産の可能性について、第6次産業化を含めた新たな展開に期待しています。農学部を新設したことで、本学が地域農業に少しでも貢献できればと考えています。

お問い合わせ

以下のフォームに必要事項を記入し「確認画面へ」ボタンを押してください。
※印は必須項目です。



※半角英数字で入力してください

※個人情報保護への取り組みについてはこちら をご覧ください。

PDF

活動団体情報

代表者
大門 弘幸
(農学部教授)
専門分野:作物生産科学

主な連携メンバー
米森敬三(龍谷大学農学部)、藤井盛浩(東近江市産業振興部農業水産課)、東近江市産業振興部農業水産課・蒲生地区まちづくり協議会

活動開始時期
2015年7月

主な活動地域
本学および東近江市蒲生地区

プロジェクト型 プロジェクト一覧