ナミビア北部における「イネ―ヒエ混作農法」導入による農民の意識変化・社会経済的インパクト計測方法の確立

活動の概要

アフリカの半乾燥地には、洪水や干ばつにより食糧が不足する危険性の高い地域が多く存在し、食糧の安定供給と環境保全の両立が喫緊の課題です。本研究では、砂漠国ナミビアの季節性小湿地に注目し、不安定な水環境を保全しつつ、洪水や干ばつ年でも常に一定以上の穀物生産を保障しうる新しい栽培システムを考案します。日本側研究機関としては、近畿大学、名古屋大学、龍谷大学等が参加し、ナミビア大学と連携してプロジェクトを実施しています。尚、本研究はJICA とJSTが共同で行う地球規模課題対応国際科学技術協力プロジェクトの「半乾燥地の水環境保全を目指した洪水―干ばつ対応農法の提案」の一環として実施しています。

活動の内容

ナミビア北部において新規導入作物となる、イネと現地の主食であるトウジンビエを用いた混作栽培モデルを導入するにあたり、対象地域の農家の社会経済状況や営農形態の調査を行っています。具体的には、農家の現状を把握するため対象地域9村で約400世帯を対象としたベースライン調査を実施しました。また、参加型農村調査(PRA)の手法(ファームスケッチ、季節カレンダー、ランキング、生活時間帯調査、半構造的インタビュー)により、農家の1年間を通した農作業及び家事や収入創出活動などの非農作業の内容と労働量への認識、1年間を通した主要な収入と支出、農繁期と農閑期の成人男性・女性の1日の活動、耕作する作物の種類と場所の選定に関する認識、トウジンビエと稲の耕作における問題点、コメの消費や食べ方等を調査し、農家がプロジェクトから得た情報をもとにどのように新しい栽培技術を採択するか(または拒否するか)の指標を農家自身が発言できる環境づくりを目指し、研究者と農家の対話型・参加型研究手法を試行しました。具体的には、種苗配布の際に実践農家に対する研究内容の説明を行うことを徹底し、雨季の初めの苗配布に伴うワークショップで関係者と手法を共有しました。

ナミビアでのワークショップの様子

参加型農村調査法により1年間の農家の活動を調査

これまでの成果

これまでの成果として、対象地域の9村約400世帯に対するベースライン調査を実施し、稲作導入済み農家の実態について情報集計を行い2014年9月にナミビア大学で開催された国際シンポジウムで報告しました。また9村のうち1村について詳細な情報を収集し村落モノグラフを作成し、そのドラフトが完成しつつあります。また2014年7月にはナミビア大学講師1名を龍谷大学において短期研究員として受け入れ、村落プロフィールの作成(ベースライン調査の生家作成関連)に関するアドバイスと、PRA 手法等の評価に関して指導を行い、後者については、前述の国際シンポジウムにおいて結果を発表しました。

ナミビア農家の家族

今後の目標・課題

農家が新規作物としてのイネをどのように位置づけるか、従来栽培してきた作物とどのように組み合わせていくのか、農家の認識と実践を更に細かく把握し、現地で持続可能な農法をガイドラインにまとめてナミビア側の関係者と共有していきます。また、プロジェクトが導入した新しい農法について農家の認識がどのように変化したか、新しい作物や農法を農家が採用する・しないという意思決定をどのように行うのか、更なる調査を行い論文として発表する予定です。

【他団体・グループとの連携について】連携可

お問い合わせ

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活動団体情報

代表者
西川 芳昭
(経済学部教授)

主な連携メンバー
ナミビア大学、近畿大学、名古屋大学、滋賀県立大学、東北大学

活動開始時期
2012年2月

主な活動地域
ナミビア共和国