Topic 1 「地域に根ざした大学づくり」を目指して   ~龍谷大学の社会連携・社会貢献に関する取り組み~

社会連携推進会議

本学は、学生及び教職員による多様な取り組みを推進するため、様々な専門性を兼ね備えた主に以下の6つのセンターが中心となって社会連携推進会議を構成しています。

1. 龍谷エクステンションセンター

大学の持つ資源を地域に開放するにとどまらず、地域の人材や資源を大学の教育や研究に活用したうえで、その成果を地域に還元するという双方向サイクルを基本理念としています。産官学連携、福祉フォーラム、生涯学習、地域連携、学生ベンチャー育成、の5事業を中心に、「地域に根ざした大学」として多彩な活動を展開しています。

2. ボランティア・NPO活動センター

ボランティア・NPO活動センターは、ボランティア活動を共生教育の一つとして位置づけ、思いやりと責任感のある行動的な人間を育成することを目的としています。そのために、学内のみならず、国内外の高等教育機関、各種のNPO・NGO、浄土真宗本願寺派、地方公共団体等との交流を深め、学内外における様々なボランティア活動の振興を図る活動を行っています。

3. 矯正・保護総合センター

矯正・保護総合センターでは、戦前からの長い歴史と伝統をもつ浄土真宗本願寺派の宗教教誨を基盤としながら、日本で唯一の刑事政策に特化したプログラムとして矯正・保護課程を設置し、刑務官や法務教官、保護観察官等の専門職をめざす人たちのために、実務に即した教育活動を行っています。

また、こうした矯正・更生保護における教育活動の実績を継承しながら、刑事政策に関する国際的・学際的な研究活動も積極的に展開しています。

さらにセンターでは、社会貢献活動として、矯正・保護ネットワーク講演会の開催をはじめ、本学校友会関係組織(ぎんなん会<矯正施設支部>、桐友会<矯正教化支部>)等の関係諸団体との研究交流会等も行い、矯正・保護分野のネットワーク構築とそれに向けた情報発信に力を入れています。

4. 地域公共人材・政策開発リサーチセンター(LORC)

LORCは、地域人材・公共政策開発システムオープン・リサーチ・センターとして、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業(2003~2007年度)[フェーズ1]、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(2008~2010年度)[フェーズ2]の補助を受け研究を実施してきました。2011年度に地域公共人材・政策開発リサーチセンター(LORC)として新たに文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(2011~2013年度)[フェーズ3]、(2014~2018年度)[フェーズ4]の採択を受け、これまでの研究成果をさらに発展すべく研究活動を進めています。

LORCでは、学術的研究と地域社会との結びつきを常に意識し、持続可能な社会の実現に貢献することを目的として研究活動を行っており、研究メンバーには大学研究者だけでなく、NPOスタッフや自治体職員など実務家も加わっています。また、地域住民やNPOを巻き込んだ自治体職員研修や協働型地域再生事業などといった社会実践プログラムも多く展開してきました。

5. 京都産業学センター

龍谷大学・京都産業学センターは、産官学連携の新しい形として、京都産業のさまざまな経営上のケースを蓄積し、同時に企業経営者との共同研究体制を構築することで、京都産業界等との連携強化をめざしています。

また、恒常的なコミュニケーションの場として「京都産業人倶楽部」を開設し、開かれた産官学連携の実現を目標としています。

6. 地域協働総合センター

地域協働総合センターは地域連携における先進的な研究成果を大学教育および人材育成に還元し、さらに充実、発展させるべく、政策学部・大学院政策学研究科に開設された付置機関です。大学と地域社会が協働する連携拠点としてだけではなく、地域で活躍する人材を育成するプロジェクトの開発や展開拠点としての機能も兼ね備えています。政策学部教員の研究成果をもとに、地域連携と人材育成を一体化して展開することで、新しい形の政策学教育を開発し、同時に、積極的に外部資金を獲得して学外機関のプロジェクト等を受託することで、社会に発信力のある事業を実施しています。

地域貢献型メガソーラー「龍谷ソーラーパーク」

龍谷大学が産官学連携により、2013年に稼動した地域貢献型メガソーラー(大規模太陽光発電所)「龍谷ソーラーパーク」。これは本学の研究成果を事業化したもので、社会貢献の理念として掲げる「教育・研究成果の還元」をまさに体現したものです。

「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を活用した事業モデルで、売電収益は太陽光パネルを設置している和歌山、京都、三重、洲本市(兵庫県)の地域貢献活動や市民活動の支援資金として提供されると共に、本学の社会貢献活動の原資として活用されています。

また、この取り組みは持続可能な社会を構築する事業モデルとして高く評価され、2014年度に「グッドデザイン賞」を受賞し、社会的にも大きく注目されました。

具体的な本学での活用事例としては、学生の主体的な取り組みを支援する学生活動支援制度「龍谷チャレンジ」や印南町(和歌山県日高郡)との交流事業、社会連携事例集「with Dragon」の制作等、各種社会連携・社会貢献活動の推進資金として活用されています。

「龍谷ソーラーパーク」の概要

場所
和歌山県印南町大字印南4483番地 <設置容量 約1,200kW>
和歌山県印南町大字美里1192番地 <設置容量 約600kW>
京都市伏見区深草塚本町67番地(龍谷大学) <設置容量 約50kW>
三重県鈴鹿市国府町 <設置容量 約3,833kW予定>
兵庫県洲本市中川原町三木田1242番1 <設置容量 約1,705kW>
総発電能力
約7,388kW
年間発電電力量(予定)
約5,900,000kWh

印南町(和歌山県日高郡)

鈴鹿市(三重県)

洲本市(兵庫県)

多世代・多文化協働による地域連携型教育プログラムの展開

本学では、一人でも多くの学生が「地域デビュー」することで将来、日本の地域を支える人材になってほしいと考え、社会と連携した多様な取り組みが正課、課外を問わず実施されています。

これらの活動実績や総合大学としての多様性を活かして、多世代・多文化交流による学生や地域が共に学びあい、相互の信頼関係を築ける地域連携型教育プログラム「コミュニティベースドラーニング(CBL):地域連携型学習」の構築をめざしています。 本取組は京都市と(公財)大学コンソーシアム京都が支援する『「学まち連携大学」促進事業』に採択(2016年~2019年)されています。

地域と大学のコミュニケーションハブ「深草町家キャンパス」

龍谷大学深草町家キャンパスは、本学が町家の利活用を通じて、地域社会と連携を図りながら、教育・研究上の成果や学内資源を地域に還元し、地域社会と共に発展することを目的とした施設です。

本施設は、本学関係者ならどなたでもご利用いただけます。

深草町家キャンパス

「龍谷ソーラーパーク」の概要

裏庭のはたけで活動する学生

深草町家キャンパスは、大学と地域が協働で設立したNPO法人深草・龍谷町家コミュニティが管理・運営しています。この下で活動している学生団体が「京まちや七彩コミュニティ」です。

地域における多世代・多文化コミュニケーションを実践することで培ったネットワークやアイデアを活かし、伏見区を中心に地域住民主体の地域活性化活動を企画・運営しています。