矯正・保護総合センター

活動の概要

矯正・保護総合センターでは、戦前からの長い歴史と伝統をもつ浄土真宗本願寺派の宗教教誨を基盤としながら、日本で唯一の刑事政策に特化したプログラムとして矯正・保護課程を設置し、刑務官や法務教官、保護観察官等の専門職をめざす人たちのために、実務に即した教育活動を行っています。
また、こうした矯正・更生保護における教育活動の実績を継承しながら、刑事政策に関する国際的・学際的な研究活動も積極的に展開しています。
さらにセンターでは、社会貢献活動として、矯正・保護ネットワーク講演会の開催をはじめ、本学校友会関係組織(ぎんなん会<矯正施設支部>、桐友会<矯正教化支部>)等の関係諸団体との研究交流会等も行い、矯正・保護分野のネットワーク構築とそれに向けた情報発信に力を入れています。

活動の内容

社会貢献事業

矯正・更生保護の分野に携わる実務家(教誨師、保護司、篤志面接委員)や関係する行政機関、民間団体、企業家、専門職の方、地域の方等、矯正および更生保護の問題に関心を寄せる多様な人びとに対して、思索と相互理解を深めるため、議論と研修の場として、毎年学外から講師を招き、矯正・保護ネットワーク講演会を開催しています。
また、一般市民を対象にした裁判員制度等、司法に関する知識理解の促進を目的とした講演会や将来の裁判員を養成するため、小中学生や高校生向けのカリキュラムや教育教材の開発・提供をしていきます。
その他にも、本学校友会関係組織をはじめとする関係諸団体との研究交流や日本更生保護協会、矯正協会、保護司会、BBS会、更生保護法人、刑事施設や保護観察所等との交流、連携を深め、公開講座や研修会、研究会等を計画しています。

矯正・保護ネットワーク講演会の様子

ぎんなん会の研究会の様子

教育事業

矯正・保護課程

本学の歴史と伝統を活かして、刑務所、少年院、少年鑑別所などで働く矯正職員や、犯罪・非行をおかしてしまった人たちの社会復帰を手助けする保護観察官等の専門職やボランティアを養成することを目的に、「矯正・保護課程」を開設しています。講義は、矯正管区長、刑務所長、少年院長、少年鑑別所長などの矯正関係の退職者や地方更生保護委員会委員長、保護観察所長などの更生保護関係の退職者、現役の公務員の方々が担当しています。こうした経験豊富な実務経験をもつ講義担当者が、実践的な講義や演習を行っています。

開設科目

矯正・保護入門、矯正概論、矯正教育学、矯正社会学、矯正心理学、矯正医学、成人矯正処遇、保護観察処遇、更生保護概論、更生保護制度、犯罪学、被害者学、青少年問題 等

施設参観

矯正・保護課程の受講生を対象に授業で学修した内容を、実際の矯正施設や更生保護施設の現場の参観を通じて、生きた知識として定着させるため、毎年夏季(8月下旬~9月上旬)と春季(2月上旬)の2期に分けて、各地の施設にご協力をいただき、施設参観を実施しています。

矯正施設

京都刑務所、大阪刑務所、大阪医療刑務所、滋賀刑務所、加古川刑務所、和歌山刑務所、京都少年鑑別所、京都医療少年院、奈良少年刑務所、奈良少年院、浪速少年院、交野女子学院、播磨社会復帰促進センター 等

更生保護施設

更生保護法人 京都保護育成会、更生保護法人 西本願寺白光荘、大阪府立修徳学院(児童自立支援施設) 等

研究事業

現在、矯正・保護総合センターでは、8つの研究プロジェクトを展開しています。矯正・更生保護といった刑事政策に特化した研究だけではなく、法学のみならず社会学や心理学等、様々な分野の研究者も参画し、学際的な研究を行っています。さらに、研究者と実務家が共同して研究を行う等理論と実務を架橋するような研究も行っています。
こうした研究を通して、刑事政策に関する国際レベルの研究成果を生み出すとともに、それを大学院等の教育現場に還元したり、裁判員時代の市民教育のあり方や現実の政策立案等についても積極的に提言を行う等、社会に対しても研究成果を還元することをめざしています。

これまでの成果

  • 1977年に日本で唯一の刑事政策に特化した教育プログラムとして、矯正課程(現在の矯正・保護課程)を設置して以来、同課程の受講者は、現在、延べ18,000名(2015年8月現在)を超えています。その中には、刑務官や法務教官、保護観察官等となって現場で活躍している方が数多くいます。
  • 2001年に矯正・保護に関する学術を推進するために設置した矯正・保護研究センター(矯正・保護総合センターの前身)は、2002年度から8年間、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業(AFC)に採択されました。その後、矯正・保護課程の教育活動と研究センターの研究活動の有機的な統合を図るとともに、矯正・保護分野における社会貢献活動も事業の柱に加え、現在の矯正・保護総合センターとなりました。
  • 大学基準協会の認証評価において、矯正・保護総合センターの事業は、建学の精神にもとづく、「共 ともいき 生」の理念を具現化するもので、本学ならではの取組であると評価されました。
【他団体・グループとの連携について】連携可

PDF

このページのPDFを表示

活動団体情報

代表者
福島 至(矯正・保護総合センター長、法務研究科教授)
設置年月
2010年4月
連絡先
矯正・保護総合センター事務部
TEL 075-645-2040
FAX 075-645-2632
Mail kyosei-hogo@ad.ryukoku.ac.jp
主な連携メンバー
日本更生保護協会、矯正協会、保護司会、BBS会、更生保護法人 等