(1)事業の概要
私たち京結えるは、事業期間内にHTML,CSS,JavaScript,PHP,Google Apps Scriptを用いて、以下のホームページ兼Webアプリケーションを構築しました。
https://mf3px.sakura.ne.jp/kyo_yueru/
私たちは、以下5つの事業を軸とし、地域と学生を結ぶ活動を行っています。コロナの影響で連携を断られる企業もありましたが、柔軟に自分たちができることを継続することにしました。
- 京都の資源を活用した、紙とプラスチックの代替素材「YUMEX」の開発,それを用いた逆マタニティストラップの製作,ワークショップの開催(野菜から紙の開発に成功)
- SDGs飲食店「士心」のリノベーションとコンポスト製作
- 地域と企業を結ぶ、情報メディア,オンラインストア,フリーマーケット
- 「結える企業」の認定,6社の取材&企業紹介の記事作成と広報
- 地域と企業を結ぶ交流プラットフォーム(ブログ執筆,企業が情報発信)
- 楽しさに基づいた、結ぶ広告サービス「楽伝」
(2)事業実施に至る経緯と背景
私は幼い頃、家庭が貧しかったのですが、近所の人に何度も助けられたり、自作の小物を友人にプレゼントして喜ばせることが好きだった経験から、「物作りで地域に基づいた社会課題の解決」をしたいと考えていました。そこで、地域活性化に興味のある友人を誘い、2020年11月20日にこのチームを結成しました。当初は「地域と企業を結ぶ」ことのみが主な事業計画でしたが、自身が元々理系であったことから、その知識を活かして、自社ブランド製品である「お野菜など京都の資源で作った紙やプラスチック」とそれを用いた「逆マタニティストラップ」を作ることで、より自分たちのイメージを明確化することに成功しました。
また、「京結える」の「京」は「京都」と「今日」を掛け合わせたものであり、「結える」は「結ぶことができる」、「達成できる」という意味でもあります。このチーム名には、「今日からアクションできることを提案する。一緒にアクションする。」という意味が込められています。
(3)事業実施項目
1. 地域と企業を結ぶ、情報メディア,オンラインストア,フリーマーケットプラットフォームの作成,サービスの提供
【概要】
私たちのホームページ内に、HTML,CSS,JavaScript,PHP,Google Apps Scriptを用いて、以下の商品の売買が可能なWebアプリを構築しました。
https://mf3px.sakura.ne.jp/kyo_yueru/#sales
【目的】
- コロナ禍で行き場を失った米や野菜などの商品の売買
- 大学で使わなくなった用品の売買
- SDGsや社会貢献に取り組んでいる地域の企業の商品の販売
【結果】
複数の商品が販売されたが、コロナ禍において、移動等での営業が困難であると判断したことと、古物商許可申請に19,000円の手数料を支払う必要があり、資金不足に陥る可能性があったことが理由で、サービス提供を停止しました。
2. 京都の資源を活用した、紙とプラスチックの代替素材「YUMEX」の開発,それを用いた逆マタニティストラップの製作,ワークショップの開催
- ワークショップの概要:
https://mf3px.sakura.ne.jp/kyo_yueru/events/1/ - ワークショップのスライド:
https://drive.google.com/file/d/1cht9bEwzjxENuSHwv9K8WT-qRmxNoQOL/view?usp=sharing
【概要】
野菜などの生ごみや葦,古着,プラスチックごみ,竹などの京都の資源から、紙やプラスチックの代替素材の開発を試みました。さらにそれを用いて逆マタニティストラップを作るワークショップを開催しました。
【目的】
- 現在、紙を生産する際に、大量の水と油が必要である上、森林伐採を通して多くの自然が奪われているので、これらの課題を解決する。
- SDGsの三大要素「経済」,「社会」,「環境」の全てを学ぶワークショップを通して、より多くの人に今すぐ実践できるSDGsを広める。
- 物作りの楽しさをより多くの人に伝える。
【結果】
独自の技術と、一定のパルプとの配合で野菜や木材、プラスチックなどの京都の資源から紙の開発に成功しました。2021年3月9日に龍谷大学の学生、外部の大学生と高校生を集め、ワークショップを実施し、SDGs等の社会問題を学習した後、お野菜ペーパーを作りその紙でストラップを製作しました。また、参加者以外にも、製作した逆マタニティストラップを配布しました。今後は、現在進めているプラスチックの開発も行う予定です。
3. SDGs飲食店「士心」のリノベーションとコンポスト製作
【概要】
元々地域に根差した飲食店だった士心(ししん)は、コロナ禍で業績が低迷し、2021年2月1日から学生たちが引き継ぎSDGs飲食店へと生まれ変わりました。この存在を知った私は、何か協力することができないかアポイントメントを取り、ヒアリングを実施した上で連携することになりました。ここでは、まずは大型で長期間に渡って使用できるミミズコンポスト1つと、小型のLFCコンポスト2つの製作に協力させていただきました。その後、SDGs飲食店としてリノベーションを行うための協力もさせていただきました。また資金を用いずに、ギフト券(料理を注文した際に追加で500円を払うことでもらえる。そこにメッセージや連絡先等を書いて掲示板に貼ることで、次に来店した人がそれを使うと無料で料理を食べることができる上、心としても繋がることができる券)を京結えるの藤田が提案し、その導入が決定しました。
【目的】
- 士心で出た生ごみを、堆肥化しそれを活用して野菜を育てる環境の循環の仕組みを作る。
- SDGs飲食店として地域に根差したコミュニティを作る
- 地域で「お金の物差し」だけでなく、「心の物差し」で幸せになるギフトの仕組みを作る。
【結果】
大型のミミズコンポスト1つ,小型のLFCコンポストを2つ製作できました。。また、来客がリラックスすることができる香料等の設置など、リノベーションも提案させていただきました。
4. 「結える企業」の認定,6社の取材&企業紹介の記事作成と広報
https://mf3px.sakura.ne.jp/kyo_yueru/#yueru 【概要】
SDGsや社会貢献に取り組んでいる企業を「結える企業」に認定し、取材させてもらった上で、京結えるのホームページに掲載しました。
【目的】
- 社会に疑問を抱え社会課題解決に取り組んでいる企業の魅力を伝えることで、その企業のSDGsに関する取り組みが活性化させる。
- より多くの人にSDGsに関する取り組みを広め、興味をもってもらう。
【結果】
Good Nature Station,シサム工房,学び場とびら,士心,Lápiz Private,AFURIKA DOGSの6社を取材させてもらい、記事を作成した。
5. 地域と企業を結ぶ交流プラットフォーム
https://mf3px.sakura.ne.jp/kyo_yueru/#blog 【概要】
SDGsや社会貢献に関するブログを執筆しました。
【目的】
より多くの人にSDGsに関する取り組みを広め、興味をもってもらい、行動してもらう。
【結果】
4つの記事を作成しました。今後は一般の企業が宣伝記事を投稿できる機能を追加する予定。
(4)事業の成果
- 3名の方にお野菜マタニティワークショップに参加していただき、お野菜ペーパーを一緒に作り、逆マタニティストラップを製作しました。SDGsに関する学びを深め、今すぐ実践できる取り組みを広めることができました。
- 10種類以上の紙を製作し、どのような素材か紙やプラスチックの代替素材にしやすいかを分析しました。
- 現在SDGsや社会貢献に取り組んでいる、Good Nature Station,シサム工房,学び場とびら,士心,Lápiz Private,AFURIKA DOGSの6社の企業を取材し、紹介記事を書かせていただきました。
- 地域と企業を結ぶオンラインストア,フリーマーケットプラットフォームにて、3商品が販売されました。
- SDGs飲食店「士心」で、大型のミミズコンポスト1つ,小型のLFCコンポストを2つ製作し、ギフト券の導入を提案し、導入が決定しました。また、店内のリノベーションをさせていただきました。
- 地域と企業を結ぶ交流プラットフォームにて、SDGsや社会貢献に関する記事を4本作成しました。
(5)課題と今後の展望
今回の事業での課題は、幅広い分野の事業に取り組むことができたのですが、事業一つ一つのクオリティを一定水準以上を保てなかったことです。
当初、この龍谷チャレンジに参加させていただいた目的の1つに、自分自身が本当に熱意をもって取り組めるような活動を見つけるというものでした。しかし、幅広く様々な人と会い、多様な分野の社会貢献活動を行うことで、自分たちの学びになっただけでなく、ワークショップや出会った人やご協力いただいた企業様どうしを繋ぎ、それを伝える役目を果たすことができました。
今後は、現在行っている、「野菜等の生ごみや捨てられた衣類で紙を作り、逆マタニティストラップを作る」活動をより規模を大きくすると同時に、今回の活動中で思いついた、「廃棄予定の牛丼,ピザ,プラごみ,石灰石」などの料理や資源から、紙やプラスチックの代替素材を作り、それを素材や加工した製品として商品化させるのが目標です。同時に、地域との繋がりを強めていくことにも注力し、既にSDGsに取り組んでいる企業の情報を多くの人に伝えることで、世界のSDGs達成に貢献していきたいと考えています。
(6)事業実施を通じて見出された特長
ポイント1「早めに、アポを取り、お互いの連携の方向を明確化させる。」
ポイント2「最初に、連携における目標を設定する。」
ポイント3「連携の際はお互いの役割を決め、連携側と円滑に連絡がとれるようにする。」
活動団体情報
代表者
京結える
代表
藤田 政広
連絡先
REC事務部(京都)
主な連携メンバー
士心、Lápiz Private、Good Nature Station、AFURIKA DOGS、シサム工房、学び場とびら
活動開始時期
2020年12月
主な活動地域
学び場とびら,学生コワーキングスペースKNOT,龍谷大学 成就館