活動の概要
2011年11月からはじまった第30次地方制度調査会では、地方圏の課題として「相当の都市機能の集積があり、より圏域事項をカバーすることができる指定都市や中核都市等の事項規模の大きな都市」において都市機能の「集約」と「ネットワーク化」が進んでいないことが挙げられ、都市機能の「集約とネットワーク化」を図ることが答申されました。この答申を受け、2015年1月に連携中心都市圏構想がスタートしました。 国の動きを受け、京都府北部地域でも、2015年4月22日、福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町の5市2町で京都府北部地域連携都市圏形成推進宣言を行い協議会を設置しました。ただ、京都府北部地域連携都市圏は、連携中枢都市に該当する都市がないため、連携中枢都市圏には該当しません。第31次地方制度調査会答申(2016年3月16日)では、連携中枢都市圏以外の広域連携について位置づけられたものの、財政支援の位置づけがなく、京都府や協議会では「新たな広域連携都市圏の形成の促進に向けた地方交付税や補助金等による財政措置を講ずる」よう国に対して政策提案を続けています。 新たな地方連携都市圏のかたちを明確にするために、総務省委託事業「新たな広域連携促進事業」の一環として、総務省委託調査「仮想的30万人都市圏連携施策」にかかる調査について、京都府北部地域連携都市圏形成推進宣言協議会の事務局である舞鶴市から龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター(LORC)と、京都府北部地域7市町の現状に詳しい一般社団法人京都府北部地域・大学連携機構(CUANKA)が、共同で受託をしました。2017年2月に調査報告書を完成させました。
調査報告書
活動の内容
調査の過程で、CUANKAが京都府北部地域7市町にヒアリング調査を実施するにあたって、その一部に同行しました。また、本調査では、京都府北部地域7市町と比較する対象として下関市、函館市、とやま呉西圏域を選定し、各市(とやま呉西圏域は事務局がある高岡市)にヒアリング調査を実施しました。我々の訪問をご快諾いただいた各自治体の皆様に謝意を示します。 調査報告書では、序章で京都府北部地域連携都市圏について概観しました。次に、1章で、人口・人口動態、産業、観光、教育、医療、行政――財政、交通、防災、娯楽(アメニティ・施設)――の各分野について、京都府北部地域7市町と中核市ならびに圏域都市圏との比較分析を行い、2章で地域経済分析システム(RESAS)を活用して京都府北部地域7市町の統計分析を行いました。そして、3章で、京都府北部地域7市町と中核市・圏域都市圏へのヒアリングを分析しました。その後、4章で京都府北部地域7市町の水平連携に向けた提案を示し、終章で連携イノベーションによる地域連携都市圏づくりへの挑戦について議論して結論としました。
これまでの成果
本調査では、地方自治体の連携には、「WIN & WIN」型の施策分野と「Give & Take」型の施策分野があることを指摘し、京都府北部地域の連携都市圏戦略として成長促進戦略、安定化戦略、水平的連携戦略という3つの戦略を提示しました。
今後の目標・課題
LORCでは、京都府北部地域をフィールドの一つとし、他方で、自治体の連携について研究してきました。今後も、本調査結果をもとに、京都府北部地域を中心として、地方自治体の連携についての研究を継続していく予定です。
受賞・助成採択実績
総務省委託調査「仮想的30万人都市連携施策」に係る調査業務
お問い合わせ
活動団体情報
代表者
白石 克孝
(地域公共人材・政策開発リサーチセンター長、政策学部教授)
専門分野:公共政策
連絡先
TEL: 075-645-2312(事務局)
(地域公共人材・政策開発リサーチセンター)
WEB http://lorc.ryukoku.ac.jp/
主な連携メンバー
京都府北部地域連携都市圏形成推進宣言協議会、舞鶴市、福知山市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町、函館市、下関市、とやま呉西圏域連携中枢都市圏、高岡市
活動開始時期
2016年8月
主な活動地域
舞鶴市、福知山市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町、函館市、下関市、高岡市