活動の概要
地域の発酵醸造産業への貢献を目的に活動を行いました。京滋地域の自然分離源から酵母の探索を実施しました。分離した酵母株の特性評価を行い、製パン特性の高い酵母株を見いだしました。本酵母株を用いた製パン試験を行うとともに、製パン企業との連携を行い、食パンの製造・販売を行いました。
龍谷ブランドとして商品化しました
活動の内容
主に京都府下で収集した自然分離源(花、果実、樹液、葉等)を用いて酵母株の分離を行い、約1,000株の酵母株を得ました。分子生物学を活用した簡便な手法で、産業利用性の高いSaccharomyces cerevisiae種が約15株含まれていることを明らかにしました。さらに、様々なパン生地を用いて発酵試験を行い、製パン適性の優れた2株の酵母を同定しました。それらは、京都の大文字山から分離された酵母でした。 本酵母株を用いて、株式会社アンデと共同で食パンの製造研究を行い、食パンの実生産・実販売を行いました。
オープンキャンパスの龍大マルシェで販売しました
これまでの成果
新規野生酵母を活用した食パンの実生産に成功しました。製造された食パンは雑味が少ない仕上がりでした。これらの活動は、テレビ、新聞、雑誌に広く取り上げられました。また、本学の学生に食パンを味わってもらうため、学内のカフェなどでの販売も進めました。
学内のカフェにてサンドイッチとして商品化
百貨店での販売を行いました
今後の目標・課題
食パンを安定的に生産すること、及び広く発酵醸造産業に利用していくためには、生イーストと呼ばれる形状から、ドライイーストと呼ばれる形状に変更していくことが必要不可欠です。そこで、現在、ドライイーストの製造研究を進めています。高い発酵能を維持したドライイーストの製造技術の確立が優先課題です。
連携先へのメッセージ
新規酵母の利用を介した発酵食品産業との連携を希望しています。
お問い合わせ
活動団体情報
代表者
島 純
(農学部教授)
専門分野:応用微生物学
主な連携メンバー
農学部・実験実習助手・吉山洋子、株式会社 アンデ
活動開始時期
2015年度
主な活動地域
京都及び滋賀