農村と都市の交流を通じた「地産地消」の取り組み~北船路米づくり研究会による龍大米、野菜、地酒~

活動の概要

「北船路米づくり研究会」は、龍谷大学社会学部脇田健一ゼミが2010年より琵琶湖を一望する比良山麓の棚田(大津市八屋戸北船路)において、地元の農家の指導を受け、活動しているプロジェクトです。
生産したお米や野菜を学生自らが京都や大津の飲食店に出荷し、好評を博しています。

北船路の農村では、後継者が不足し、農家が高齢化するなどの問題を抱えています。また、農作業を行う上で条件的に不利な「棚田」という農地をどのように保全していくかという課題が顕在化しています。本研究会では、単に農業体験をする

地酒「北船路」の販促ポスター

活動の内容

北船路は、滋賀県の湖西、比良山系の蓬莱山の麓にあります。平地は琵琶湖の湖岸のみで、伝承によれば、明智光秀の時代から山麓の傾斜地に水田の開発が進められてきたようです。

棚田から琵琶湖を見下ろす雄大な風景は村の財産ですが、後継者の問題や農業の行く末が心配される状況、そしてほとんどが兼業農家である状況においては、このような棚田で営農を継続していくことは、容易なことではありません。大型の農機具を導入することも困難です。 脇田ゼミでは2010年に「北船路米づくり研究会」を発足、2011年度から、生産者と消費者との「顔の見える関係」づくりの活動を通して、大津市の商店街で「北船路野菜市」を開催しています。また、生産者と消費者の交流を目的とした「かかし祭」を開催しました。「かかし祭」では、商店街の関係者の皆様、野菜市の野菜を購入していただいている飲食店のご常連の皆さんにご参加いただきました。
また、この取り組みをきっかけとして地元の酒蔵(平井商店様)からコラボレーションの話を頂戴し、棚田に吹き下ろす強風「比良おろし」と闘いながら酒米を育て、2014年に2種類の地酒「北船路」の発売にこぎ着けました。

これまでの成果

1.北船路野菜市

北船路の協力農家が出品される農産物を、毎月第三土曜日の午前10時から、大津市の中心市街地にある丸屋町商店街・大津百町館前で開催しています。出品される農産物は、協力農家が自家消費や直売を目的に生産されているもので(多品目少量生産)、無農薬か低農薬で栽培されています。秋には、研究会の学生たちが生産したコシヒカリ米を「龍大米」として、里芋を「龍大芋」として販売しています。

北船路野菜市

2.かかし祭

大津市の「パワーアップ・市民活動応援事業」(2012年度)に採択していただき、中心市街地(消費者)と農村(生産者)をつなぐイベントとして開催しています。

かかし祭の子供神輿

3.環境こだわり米

2012年度滋賀県(農林水産部・食のブランド推進課)「環境こだわり農業連携PR事業」の事業を受託しました。環境こだわり農業についての理解を深め、環境こだわり農産物の購買・利用の促進を図ることを目的に、滋賀県で生活する若い世代を対象とした交流活動の開催や各種PR活動を行っています。

棚田での田植え

棚田での稲刈り

4.地酒「北船路」

地元の農事組合法人「北船路福谷の郷」の協力を得て、酒米の山田錦を水田で栽培しました。
完成した酒は「純米吟醸 北船路」。やや辛口で穏やかな香りがあり、飲みやすく仕上がありました。研究会は酒瓶のラベル作りも担当し、琵琶湖から昇る朝日をイメージしています。

地酒のラベル作成

今後の目標・課題

  • 大津市「パワーアップ・市民活動応援事業」(2012年度)
  • 滋賀県「環境こだわり農業連携PR事業」(2012年度)
【他団体・グループとの連携について】連携可

お問い合わせ

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活動団体情報

代表者
脇田 健一
(社会学部・教授)
専門分野:環境社会学、地域社会学、地域社会・地域づくり論、文化遺産の社会学

主な連携メンバー
滋賀県、大津市、農事組合法人「北船路福谷の郷」

活動開始時期
2010年

主な活動地域
大津市