深草ベース文化フェスタ(2022年度龍谷チャレンジ採択事業)

(1)事業の概要

京阪電鉄様の所有する空き地を活用し、竹や花畑を活用したイベント「深草ベース文化フェスタ」を実施する。また、それに伴い、E-TOKO深草での広報活動によってより関心を高める事を目指す取り組みを行う。
具体的に、竹灯籠づくりによる放置竹林への関心を高めること。花畑を使ったイベントによる住民同士の交流を促進すること。デジスタイル京都の運営する E-TOKO深草での記事の発信によって深草ベースの変化やイベントを発信すること。

(2)事業実施に至る経緯と背景

京阪電鉄ホールディングス様からお借りしている空き地を、地域のコミュニティ形成の場として活用するために発足したプロジェクトである。空き地など地域の資源を活用し、人や資源を繋ぎ続けることで地域の内発的な発展に寄与すると考え、事業として立ち上げました。
今年度の取り組みでは、多様な人が集まることができる空間を目指し、土地の整備を予定しました。また、地域住民の交流を図るため、イベントの実施を予定しました。

(3)事業実施項目

  1. 花豊造園株式会社様との花畑の造成
    地域住人も共に園芸を楽しめる空間づくりを目的で実施しました。具体的には、花豊造園株式会社の石田様に造成の計画書を提出し、空き地に埋没していたコンクリートなど1廃棄物を敷地内の別の場所に埋め立て処理を行いました。
    実際にこの取り組みを行った事により、花を植えることを通しての多世代間でのコミュニ―ケーションが生まれることとなりました 。しかし、課題として車いすや医療的ケアの必要な子どもが不自由なく歩ける空間には至ることができず、バリアフリーという視点が現段階での深草ベースには足りていないことを認識しました。
    そのため、今後はコミュニケーションを目的とする整備よりも、「誰もが安心して利用できる」という点に重きを置いた整備を行っていくことを計画しています。
  2. 既存の畑を政策学部内ゼミへの貸し出し
    龍谷大学政策学部の大石ゼミ衣班の方に、衣類用の綿の栽培のために既存の畑の貸し出しを行いました。貸し出しを行うにあたり、週1回の水やりをご協力いただきました。特に、綿の栽培は伏見区にあるあすか保育園の園児たち と共に行っていらっしゃり、以前より深草ベースが育てていた向日葵畑にて思い出ができたとおっしゃっていました。
    また、夏が終わり10月頃に向日葵の種の収穫を行い、大石ゼミ衣班の方を通じてあすか保育園に種の一部をお渡ししました。
  3. 竹と緑様竹灯籠作成及び材料の受け渡し
    実際に大学に2度お越しいただき、イベントの企画内容の提示、竹灯籠の作成の講習をして頂きました。当日使用する資材の大きさと数、電動工具を用意する際の留意点などを教えて頂きました。
    連携では竹を使ったイベントの実施だけではなく、今後は定期的な取り組みとして継続されることを期待されていました。
  4. カードゲームの作成
    小学生に「深草に今あるもの」を知ってもらう目的で学生が考案し、作成。学生が撮影した写真をもとに作成した、「伏見人形」「琵琶湖疎水」「深草瓦」「藤森神社」「深草ベース」「深草うちわ」「伏見稲荷大社」「師団街道」竹燈籠づくりで使用した「竹」「深草地元学」などのカードの名前、キーワード、場所を覚えるゲーム。年齢や知識量に合わせた難易度のルールを設定し、どのような年代や知識量の方でも深草の文化について触れられるように構成をしました。
    イベントでは実際に遊んでみての感想として、「伏見人形を知らなかった」 「琵琶湖疏水ならすぐ分かる!」などの声を頂きました。高齢の方でも初めて知るものや、普段触れやすいために知っているものなど、年齢に関わらず深草についてより知ってもらう余地があることを確認しました。
    【基本ルール】

    1. はじめにカードに振られている名前などを覚える。
    2. 1人ずつか交代で山札からカードをめくっていく。
    3. 覚えた名前などを叫ぶ。
    4. 間違えた人は次のターン動けなくする。
    5. 誰が叫んだか分からない時は山札の隣に置いておく。
    6. 一番初めに言えた人はカードの山札の隣のカードをもらえる。

    【レベル】
    初級:1種類だけ覚える(例えば名前だけ、琵琶湖疎水、稲荷大社、キーワードだけなど)
    中級:種類を1種類増やす(名前、キーワード)
    上級:全種類を混ぜる(名前、キーワード、場所混ぜる)

  5. 砂川小学校前でのチラシ配り、広報活動
    また、イベントの実施及び取り組みの広報を行いました。
    初めは校区である砂川小学校を対象として広報を行いました。配布物としてチラシを配っていただくことはできなかったため、小学校内に30 部ほど置いていただくことに加え、学生での手配りを選択しました。また、近隣住民の方へ深草ベースのチラシの投函、深草小学校にご協力頂き保護者様へイベント告知メール配信を行いました。
  6. 第1回文化フェスタの実施
    NPO法人竹と緑様に実際にお越しいただき、実施しました。しかし実際に集客には至ることが出来ず、運搬方法や当日配慮すべき点などの確認にとどまりました。また、竹と緑様に広報先の拡大する提案などをいただきました。
  7. 深草小学校への広報拡大(保護者向けメールによるチラシの配布)
    砂川小学校前でのチラシの手配りの効果は見られませんでしたが、深草小学 校での保護者様へのメール配信の効果として、第3回の実施の際に約6名の子供たちと保護者の方が参加して下さりました。
  8. 第2回文化フェスタの実施
    花の植え付け、竹灯籠づくりを実施しました。当日参加いただいた方の中には高齢の方や未就学児が参加されたため、竹灯籠づくりでは来ていただいた方にデザインを選んでもらい、学生が目の前で作成をするといった形で実施しました。花の苗植えでは、高齢の方が選んだものをお子さんが植え付けるといった事や、お越しいただいた人同士の中での会話も見られました。
    実際にお越し下さった「稲荷の家ほっこり」の小滝様から、次回の開催の要望をいただき、第3回の実施の検討に至りました。
  9. 第3回文化フェスタの実施
    花の植え付け、竹灯籠づくりと水鉄砲づくりを行いました。今回は実際に学生や教員が補助をしながら、電動ドリルを用いての竹灯籠づくり、水鉄砲づくりを行いました 。
    学生が電動ドリルを用いて穴を開けている所を見て、初めは「怖い」という声もありましたが、補助付きで開ける作業をしていく中で、どこから穴を開けるかといったことや、重たいけど完成させたいという会話が生まれていきました。保護者の方からも、普段は絶対に触らない工具を使う体験が面白いといった声や、大人でも工具を触る事や体験してみたい事だという声をいただきました。
    また、予定していた遊び以外にも、参加者の子どもたちは植え付けがされていない畑の石を拾い集めて遊ぶなど、学生視点では見いだせない遊び方で思い思いの時間を過ごしていました。
  10. 深草小学校広報誌掲載
    深草小学校で広報担当をされている川出様にご協力いただき、来年度4月の広報誌に掲載していただくことになりました。今後の広報についても、大きなイベントだけでなく、日常的なイベントの実施の様子も記事にしてくださるなど、快く受け入れてくださいました。

(4)事業の成果

  • 畑の一部貸し出しによる、学生及び地域住人の活動の場の提供。
  • カードゲーム作成による、深草地域の文化を知るきっかけ作り。特に、高齢の方でも伏見人形を知らないといった方もいらっしゃったため、年齢に関わらず文化を知ることを通じてコミュニケーションを図ることの可能性を見出しました。
  • 参加された病児学童や介護施設である稲荷の家ほっこり様より、高齢者と子ども、子育て世代の屋外としての交流の場に近づいたという声をいただきました。
  • 新たな連携先の課題の発見をしました。現状として稲荷の家ほっこりでは屋内での交流や療養の場はある一方、屋外での交流の場となると遠方に出る事が難しくなるという課題を抱えていらっしゃいました。そうした課題に対して、約50m圏内に所在する深草ベースを活用することで、医療的ケアを必要とする子どもや介護を必要とする方も屋外で過ごす時間を増やすことが実現できるのではないかという提案をいただきました。
  • 電動ドリルを用いる非日常的な体験や竹の水鉄砲づくりを通じて、約6名の子どもに対して、深草の竹について知ってもらう事を実現させました。
  • 深草小学校の広報担当川出様にご協力いただき、広報紙への掲載に至りました。

(5)課題と今後の展望

この取り組みにおいての今後の課題は2つあると考えます。1つ目は“バリアフリーという視点を重視した整備、 2つ目は、 定期的な多世代間交流を実現するための広報の仕組み作りです。
私たちは、今後も誰もが集まることができる空間を目指します。そこで、まずは今関わってくださっている連携先の稲荷の家ほっこり様に関わる方々が屋外でも過ごすことができる場づくりを実現したいと考えています。
稲荷の家ほっこり様との連携を強める理由は、稲荷の家ほっこり様からも要望があり、深草ベースとしてもその要望に応えることで、誰もが過ごすことができる空間づくりを実現するためです 。特に、稲荷の家ほっこり様を利用されている方々の中には、医療的ケアの必要な子どもや介護が必要な方は遠方に出ることが難しい方が多くいらっしゃいます。そうした中での課題として、気分転換や屋外でのケア、交流の場が少ない事を挙げられていました。その点を踏まえて、深草ベースは施設との距離が約50m圏内と短く、屋外でありながらもすぐに施設に戻れること、また名鉄協商様の駐車場が隣接している事から、福祉車両を利用される方も立ち入りやすい点に魅力を感じておられました。しかし、実際に立ち入る事ができても足場が悪かったために、車椅子での立ち入りや移動が難しく、補助されている方の負担にもなっていました。
そのため現在ある課題の中でも、初めに車いすでも出入りがしやすいよう足元の整備を優先的に 行いたいと考えています。そうすることで、屋外での活動を身近でありながらも快適に過ごすことができる空間を実現します。
具体的に今検討している策としては、出入り口付近の凹凸が激しい部分にタイル、もしくはレンガを敷くことで一定程度 の平坦な道を作る事です。ですが、車椅子での移動の際に必要な配慮なども踏まえて整備を進める事が必要となると考えているため、今後はより具体的な策を講じるためにも定期的な協議を進めていきます。
次に広報についてです。私たちは今後の広報について、車椅子や医療的ケアの必要な方でも出入りがしやすい環境を整えた 上で集客を行っていきたいと考えています。現在ご協力いただいている深草小学校の川出様に今後もご協力いただき、日常的に行う取り組みを小学生や保護者の方に知っていただく事を目指します。
特に、今後の取り組みについて稲荷の家ほっこり様より、取り組みの具体的な要望として、平日の夕方など短い時間で定期的に花の苗植えや、シャボン玉などを用いた小さな遊びを定期的に行うこと等を案としていただいております。深草ベースとしても、畑の一部貸し出しや日常的なイベントの定期開催により、定期的に住人が集う事ができる空間を目指していきたいと考えています。そのため、大きなイベントに向けた広報活動という形ではなく、日常的なイベントや取り組みを定期的に記事として掲載していただけるよう、連携を図っていくことを考えています。

(6)事業実施を通じて見出された特長

ポイント1「 対象にこだわりすぎず、身近な方からお声がけをする」
ポイント2「小さな取り組みから実施し、段階を踏んで取り組みを大きくすること」
ポイント3「誰のために何をしたいのかという視点が、人との強い繋がりを生み出した」

活動団体情報

代表者
深草ベース
松本 愛

連絡先
REC事務部(京都)

主な連携メンバー
NPO法人竹と緑、京阪ホールディングス、E-TOKO深草

活動開始時期
2021年9月

主な活動地域
京都市伏見区深草ススハキ町、京阪電鉄沿線

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