(1)事業の概要
私たちは、プログラミング教室の運営を通じて、子どもたちの未来の選択肢を広げることを目指しています。3年間にわたるプログラミングの経験から得た知識を活用し、子どもたちに「社会人基礎力」と「プログラミングスキル」の向上を提供します。私たちの特徴は、従来の授業形式ではなく、子どもたちが互いに教え合う学習スタイルです。この方法により、社会人基礎力とプログラミング能力の向上を図ります。このアプローチは、将来的に役立つソフトスキルとハードスキルを兼ね備えた、子どもたちの潜在能力を最大限に引き出すことを目的としています。
(2)事業実施に至る経緯と背景
この事業を始めるきっかけは部活の仲間達の言葉と時代の流れです。私は大学入学時にプログラミング部を立ち上げ仲間と学習していました。その中で仲間達が「もっと早くから始めていれば」と感じていたこと、および小中学校でのプログラミング教育の義務化の流れから、子どもたちの将来の可能性を広げるためにこの事業を開始することを決意しました。事業を通して21世紀に必要な創造性や問題解決能力の育成を目指し、子どもたちの豊かな未来に貢献することを目標としています。
(3)事業実施項目
(1) 事業計画書作成
採択されたのちに自らの事業の全体像を明らかにするため計画を立てました。
主に下記項目を参考に作成しました。
1.教室概要
教室のプロフィール、目的、およびプログラミング教室の基本概要を詳細に記述しました。これには、教室の理念、目指す価値提供、及び運営の背景などが含まれます。
2.サービス
提供するサービスの詳細を具体化(対象年齢層、学習方法、及び独自の教育アプローチ)の説明を記述しました。
3.社会のニーズと適合性
提供するサービスが市場のニーズとどのように適合するかを、調査・分析し、ターゲット市場の特性、競合分析、及び市場のギャップに対するサービスの位置づけを明確にしました。
4.将来性
事業の将来性(将来の展望)を具体的な事実をもとに記述し、収益を上げるための戦略や運用計画の作成をしました。
5.財務計画
事業がどの程度の利益を生み出すかの計算を簡易的ではありますが行いました。
(2) 授業計画書の作成
上記の目的を決めた上でプログラミング教室の授業カリキュラムの作成をしました。授業カリキュラムの作成にあたりテンプレート・作り方を学ぶ必要がありました。実際にプログラミング教室を展開している企業のカリキュラム、部活動で作成したプログラミング学習ロードマップや総務省の授業計画書を見ながらオリジナルのカリキュラムを作成していきました。
(3) ヒアリング調査の実施
- プログラミング教室アンケート
- 保護者インタビュー
(4) モニターの募集
実際に事業を行うにあたり、私のカリキュラムが妥当であるかを確かめるために無料モニターを募集するため下記の活動を行いました。
- チラシ作成と配布
- 営業
- ワークショップの実施
- 公式SNSの開設
(5) 無料モニターの実施
9月から12月にかけての約3ヶ月間、小中学生4名を対象にオンラインプログラミング教室の無料モニターを行いましたが、結論から言うと失敗に終わりました。主な原因は以下の2点です。
1.モチベーションの低下
夏休み中は活動に対するモチベーションが高かったのですが、無料モニターの参加者数が予想を下回ったことで大きく落ち込みました。さらに、休みが明けてからは大学の授業が増え、事業以外の活動に時間を割くことが多くなり、集中できなくなりました。時間管理とタスク管理が不十分だったため、モニター期間中にPDCAサイクルを回すことができず、改善策を講じることなく終了しました。
2.前提の誤り
授業カリキュラムは「子ども同士の教え合い」を中心に構成していましたが、生徒間のレベル差や言語化能力の差が大きく、互いに教え合うことが非常に困難であることに気づきました。子どもたちの成長は多種多様で、一律のカリキュラムでは対応できないことが明らかになりました。最低限のスタートライン(例えば、タイピングスキル)を設けずに集団およびオンラインでの授業を進めることの難しさを学びました。
(4)事業の成果
- 無料モニターをきっかけにプログラミングに興味を持ってもらうきっかけにつながった
- プログラミングを学ぶことで勉強への意欲の向上につながる可能性がある
(5)課題と今後の展望
今回の事業での課題は総評しての私の準備不足が根本的課題です。その中で以下3点が重要であると認識しています。
1.目的の明確化
当初の教育目的が子どもたちの実際の学習ニーズと合致していませんでした。目的と実際の教育内容の間にギャップが存在し、これが子ども達及び保護者の混乱を招きました。反省点として、 教育目的の設定において、受講者のニーズや期待を十分に考慮していなかった点があげられます。
2.教育方法の最適化
採用した「子ども同士が教え合う」学習方法が期待通りの効果を発揮できませんでした。反省点として学習者の個々の能力や学習スタイルを考慮せずに一律の教育方法を採用した点が原因であると考えています。また、教育方法の有効性を事前に検証するためのテスト実施が不足していました。
3.マーケティング戦略の再考
SNSを含むデジタルマーケティングの不十分な活用により、十分な顧客獲得ができませんでした。特に、ターゲット層への効果的なメッセージ伝達や、参加を促すための誘引策が不足していたと実感しています。反省点は短期的に結果を求めた結果、十分な施策を打てずにいた。
今後は以下の4つを重点的に取り組んでいき、金銭を払う価値のあるプログラミング教室を目指します。
1.事業プランのブラッシュアップ
事業計画を他者に提示し、フィードバックを受けることで計画を改善しています。今回の龍谷チャレンジ期間中は、このプロセスを行わなかったため後悔があります。次は同じミスを繰り返さないよう、自分の行動を見直します。
2.HP作成
公式ホームページは作成しましたが、UIやデザインが劣っており、訪問者数も少なく効果を発揮していませんでした。また、独自ドメインを取得していなかったため、サイトの信頼性に欠けていました。独自ドメインを正式に取得し、質の高いホームページを作成することで、顧客に信頼されるプログラミング教室を目指します。
3.公式SNSの積極活用
限られた予算内で認知度を高めるため、SNSの活用は不可欠です。動画制作を含む幅広い取り組みにより、認知度を高め、顧客獲得に繋げます。
4.顧客の獲得
主に主婦層をターゲットに、アルバイトを通じて宣伝活動を行っており、これまでに2名がプログラミング教室への参加を決定しています。2024年3月末からは本格的に授業を開始します。
(6)事業実施を通じて見出された特長
- ポイント1「泥臭く取り組むことの大事さ」
- ポイント2「事前準備の重要性」
- ポイント3「相手のことを考えること」
活動団体情報
代表者
Horizon
湯口 航輔
連絡先
REC事務部(京都)
主な連携メンバー
龍谷大学学友会学術文化局プログラミング準認定同好会Horizon
活動開始時期
2023年6月
主な活動地域
龍谷大学深草キャンパス