越前和紙を体験しょっせー「和処-なごみどころ-」(2020年度「龍谷チャレンジ」採択事業)

(1)事業の概要

福井県越前市越前和紙産地に所在する柳瀬良三製紙所と共同で、「宿泊滞在型和紙漉きインストラクター講座」を企画します。こちらの製紙所では2020年11月より「日帰り和紙漉きインストラクター講座」を開講しています。この講座は県内外からの受講希望者が多く、宿泊滞在型の講座を開講することで、さらなる受講者を受け入れていきたいと考えています。
本事業では、私たち和処の学生たちが越前和紙産地に滞在して、柳瀬良三製紙所が開講する和紙漉きインストラクター講座を体験し、この宿泊滞在型の講座のプランの構想を学生視点,地域外の視点から製紙所と共に考案します。また、製紙所が行っている和紙産地や和紙漉きの魅力の発信の手助けをします。

(2)事業実施に至る経緯と背景

和処はこれまで、和紙産業や文化に携わる方々とSNSを通してつながってきました。今回福井県越前市越前和紙産地・今立地区に所在する、創業昭和21年の柳瀬良三製紙所とご縁があり、ヒアリングをさせていただきました。
そのなかで、コロナ禍で和紙需要が低下しており、新規事業の立ち上げが必要ということで、和紙漉きインストラクター講座を始められたことを知りました。この事業を継続的に実施することを考えておられ、私たち和処が地域経済の発展と、観光プランを考えることでお手伝いさせていただくことになりました。

(3)事業実施項目

オンラインワークショップ

香川県丸亀市で生産される国産竹の手づくりうちわに、福井県越前市の越前和紙でデコレーションを施し、しおり型うちわを制作しました。参加者は、和処メンバーと外部の方1名。越前和紙職人による和紙の魅力や背景にあるストーリーをお話しいただきながら、制作レクチャーを受け、約1時間程度でワークショップは終了しました。

和紙漉きインストラクター講座受講

柳瀬良三製紙所が実施してきた、「日帰り和紙漉きインストラクター講座」を3日間連続で受講しました。本来連続受講する講座としては設計されていませんが、柳瀬良三製紙所は今後、宿泊滞在型和紙漉きインストラクター講座を開催する予定であり、地域に宿泊しながら受講を希望する参加者のためのモデルプランとして、和処メンバーは参加させていただきました。この講座を受講することにより、柳瀬良三製紙所から一定の和紙漉き技能を保有する者として認定を受けられます。また、受講者自身が和紙漉きワークショップを企画する際には、柳瀬良三製紙所よりバックアップをしていただくこともできます。

地域の魅力をSNSや動画で発信する

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、和紙産地は観光客が減少しており地域経済にダメージが出ています。コロナ禍でどのように感染対策に注意をし、観光することができるのか、私たちは新しい観光のスタイルを模索し、地域の観光資源や地元の方おすすめの観光スポットを巡り、地域の魅力をSNSや動画などで発信しました。

(4)事業の成果

  • コロナ禍においても新しい観光スタイルを実践できることを見て、コロナが落ち着いた未来への希望を持っていただけました。
  • 和紙産地と都会に住む学生がつながり、和紙普及の試みのきっかけとなりました。
  • 地域外の視点、学生の視点、両方の視点によって改めて地域の魅力に気がつきました。

今回の企画がもたらす効果はすぐには現れないだろうし、和紙産地がインバウンド客など含め、かつての賑わいを取り戻すのは、まだ遠い未来のことかもしれません。しかし、いずれコロナ禍が落ち着き、人々が自由に行き来できるようになれば、和処の発信するコンテンツを見た人が1人でも多く和紙産地に足を運んでもらえるよう願います。

(5)課題と今後の展望

今回の事業での課題は主に2つあります。1つ目は、当初の目標であった和紙の魅力の発信が不十分だったことです。和紙産地に滞在している時だけのSNS投稿では、十分な注目を浴びることができず、準備の段階から進捗状況を含めた発信や、日常的かつ習慣的なPRの必要性を感じました。2つ目は、提携相手だけでなく、関係各署やメンバー間での事業に関するやり取りが不足していたことです。そのため、直前の問い合わせや、グループ内で建設的な議論を行うことが難しかったように感じます。
今後は、事業後のPR活動とメンバー間の密な連絡を大切にしていきたいです。特にPR活動は、提携先である柳瀬良三製紙所の新規事業に対しても有利に働くので、和紙漉きインストラクター講座で撮影した動画の公開や、滞在体験記などの制作を行う予定です。

(6)事業実施を通じて見出された特長

ポイント1「日程管理には余裕を持つ」
ポイント2「常にサブプラン用意しておく」
ポイント3「学生部,教務課,REC事務局ではコロナウイルス流行時の対応が違うので気をつける」

活動団体情報

代表者
和処-なごみどころ-
代表
岩井 拓巳

連絡先
REC事務部(京都)

主な連携メンバー
柳瀬良三製紙所

活動開始時期
2020年5月

主な活動地域
福井県越前市越前和紙産地・今立地区