(1)事業の概要
龍谷平安高校バスケットボール部の選手の体格・知識の向上や大学での学びを実践する事で学習の理解を深める事を目的として、月に1回のサポート活動を行った。
プロジェクトの内容としては、選手に対して毎回1時間程度の栄養教育を行い、定期的に龍谷大学瀬田キャンパス9号館の設備を用いて、選手の体格を測定した。
(2)事業実施に至る経緯と背景
元々日吉中学校でサポート活動を行っており、今後は選手が龍谷大学まで来て、体格を測定する事を止めたいと伝えられ、選手が食生活を変える事で体格が向上する事を客観的な数値で感じてほしいと考えていたので、連携を中止する事になった。
そして、サポート活動を継続したいと思い、食品栄養学科の教授の石原健吾先生に平安高校を紹介して頂き、平安高校の中で連携出来る部活動を募集したところ、バスケットボール部と連携させて頂く事となった。
(3)事業実施項目
1.栄養教育の実施
栄養教育を月に1回実施し、毎月異なるテーマで約1時間の教育を行った。その中で、講義形式の授業やクイズ形式の授業など、選手が参加しやすいように工夫をした。
具体的に実施した栄養教育の内容としては、「筋肉について」「栄養指導クイズ」「運動の時に起こることとその予防方法」などを行いました。
2.日々の身体計測の実施
体重計を使用して、日々の部活動で体組成を測定しました。この日々の身体測定では、大学生が日々の部活動に参加する事が難しく、平安高校バスケットボール部のマネージャーに測定してもらいました。この測定を実施する事で、選手の食習慣を変える事でどのように体組成が変化していくかを見てもらい、やる気を持ってとりくめるようにした。
3.龍谷大学瀬田キャンパス9号館での測定会
2度龍谷大学瀬田キャンパス9号館に訪問してもらい、大学の測定機器を用いて、体組成やヘモグロビン濃度など様々な数値を測定しました。
また、測定後に栄養教育を行いました。
(4)事業の成果
- 実際に選手に話を聞いてみると、「トレーニングに取り組む際に、食事に気を付けるようになった」「食事に気を遣うようになり、筋肉量も増えてよかった」など、選手自身が食習慣を変わっている事を実感していた。
- 大学の測定機器を用いて計測した「骨格筋量」では、1回目の測定から27人中24人が増加している。
- 顧問の先生がトレーニングをする選手を見ていても、「目的意識をもって、トレーニング取り組むようになった」と言われており、行動を変える事が出来た。
- 最後の栄養教育で今までの振り返りのクイズを行った際に、予想よりも選手が今までの栄養教育の内容を覚えていた。
- 日々の部活動で身体測定を行った結果は、測定エラーの人を除くと全身の骨格筋量が増えた人は、26人中17人だった。大学の測定器の結果と異なる結果になったのは、日々の測定が毎日必ず行われておらず、測定の日に間隔が空いてしまったり、12月末までしかデータがなかったり、データが不十分だったためであると考えられる。
(5)課題と今後の展望
今回の事業での課題は、サポート先の先生への負担が大きい事や大学生の知識不足があげられる。サポート先の先生に負担が大きくなる事に関しては、通常の業務に加えて、サポート日程の調整やサポートに関する連絡など、先生に負担が加わる事が課題にかんじた。また、大学生の知識不足では、サポートを通して、不確かな知識を伝える事は避けないといけないが、2・3年生では知識が不足していると実感し、助手の先生や教授に確認して頂く必要があった。
今後は、サポート先の先生への負担を減らして、持続的に関わらせて頂くためにも、高校生や大学生などの学生自身が責任をもって行動を行う事が出来る学生に対してサポートを行う事と先生に対して連絡を取る回数を減らせるように、サポート実施時に次回の予定を決める事とサポート頻度を減らしていく必要があると感じた。
また、大学生の知識不足に関しては、教科書を読んで知識の再確認を行う事や助手の先生や教授の先生に確認してもらう事を徹底していく。
(6)事業実施を通じて見出された特長
- ポイント1「連携先とサポート実施団体の双方の負担を考慮して、連携実施頻度や連携内容を考える」
- ポイント2「日程調整などで頻繁に連絡を取らなくても済むように、連携実施時に次回の日程を決められるように、あらかじめ次回の希望日程を提示しておく。」
- ポイント3「サポートを実施する対象者の年齢を考慮して、サポート実施内容や資料を作る事で、理解してもらえるようにする。」
活動団体情報
代表者
龍谷スポーツ栄養
中島 海斗
連絡先
REC事務部(京都)
主な連携メンバー
龍谷大学平安高校
活動開始時期
2021年11月
主な活動地域
龍谷大学平安高校、日吉中学校、龍谷大学瀬田キャンパス