ラジオ下神白上映会(社会連携・社会貢献活動部門)(2023年度龍谷チャレンジ採択事業)

(1)事業の概要

ラジオ下神白という若者と独り身の高齢者の方々との交流をドキュメンタリー形式で映画にしたものをメインシアターで上映し、特に学生に対してこの映画を通じて斬新な高齢者との関わり合いを紹介する。そして、上映迄の準備段階で多くのNPO団体や高齢者との関わりがある施設及び団体と連携するなどの広報活動を行う事で地域における団体同士の交流の場を作る

(2)事業実施に至る経緯と背景

きっかけは松浦教授による“コミュニティメディア政策”の講義でラジオ下神白が紹介された事でした。コミュニティメディア政策の講義を受講していた生徒が少なく、また独身の高齢者が全国的に増加傾向にあり、特に京都府ではその人口が多いという現状に危機感や不安を抱く生徒が多く居た為、この様な活動を行いました。そもそもの人数が少ないためにあまり大規模な活動は出来ないと考え上映会という形を取りました。

(3)事業実施項目

(1) チラシの作成

上映会を開催するにあたって、その上映会に来て下さる方々を集めるためのチラシを作成しました。どうすればより人が興味を持つのか、より観たいと思ってくれるのか、そういった意欲を煽る方向で作成し、配布も兎に角数を配る事を序盤は心掛けていました。しかし、本当に見てほしい人々に来て頂くためには意欲を煽るよりもこの上映会の意義を押し出すべきと考え、またチラシの配布も今回の活動に関連のありそうな団体にのみ絞る等を心掛けました。

(2) 各団体への広報活動

チラシを配る以外にも今回上映する映画の内容に興味を抱いて頂ける可能性のあるNPO法人や公共団体に電話をする等でコンタクトを取り、またそのコンタクトを取る事に成功した生徒をパイプ役として設置する事で円滑な連携を取り、更にその団体からの広報が出来ないかと試みました。また、地域に対しての広報活動としてNPOが運営する京都三条ラジオカフェを通じて上映会の広報活動を行いました。

(3) 上映会の開催

上映会当日は能登半島地震が起きて間もなく、龍大NPOセンターにて設置されていた募金箱を借りて受付に設置するなど初めは準備していなかった変更等を多く加えて行いました。来場者数は目標として掲げていた350人には届きませんでしたが100人以上を数えていました。また、上映会が終了した直後にはアサダワタルさんによるトークショー及び質疑応答コーナーを設ける事で来場者の方々とアサダワタル様の間にある距離をより縮めようと試みました。

(4)事業の成果

  • この上映会を実施した事で当日訪れた多くの龍大生の新たな発見に貢献できたと考えられる。上映会の直後に取ったアンケートでも、多くの人々が“刺激を受けた”、“震災がつい最近あったので近いものであり今のどのような生活をしているのか気になった。”等のコメントをしており、ただ映画を観たから感動したというだけでなく新たな学びを得る手伝いができたと考えられる。
  • また、この上映会に訪れていたNPO団体の人々や、今後何かしらの法人を立ち上げようと画策している中高年の方々は上映会後にアサダワタルさんへと積極的に声を掛けにゆき、意見を交わし合うなど交流している姿も見られた。

(5)課題と今後の展望

今回の事業での課題は、そもそもの活動開始が遅かった事と団体との連携を活用しきれなかった点だと考える。また、活動を開始した当初は漠然とした上映会をするというだけのイメージしかなかった為に適切な広報活動が出来なかった様に感じられる。今回、最後まで綿密に連携を取れたと言えるのが龍大NPOセンターとAndCafeといった学内の組織であり、伏見区社会福祉評議会の方と田中住宅さんとの連携は不十分であったと思う。特に田中住宅さんの活動は高齢者と若者が同じアパートメントに住むことによる交流の活性化等が行われている為今回の上映会において最も緊密に連絡を取り合えていればより大きな影響を地域に齎せたと考えるので非常に悔やまれる。
今後は、計画を立てた時点でどの団体とより多く関わるかを設定し、積極的なアプローチを仕掛けるとともにグループ内での意見や方針の統一及びその確認等を行う事で、もしパイプ役となってくれている生徒が何らかの事情で不在になった時もリカバリーできる様にしておくように心がける事で他団体との連携に不具合が生じ、活かしきれないような状況に陥り本来の目的が達成できなくなる事態を避けるよう努力する。

(6)事業実施を通じて見出された特長

  1. ポイント1「何かしらの活動を紹介する形を取る場合、その当事者に来て頂く事は他団体にとって非常に強い刺激を与えられる。」
  2. ポイント2「他団体と連携を取る際は連絡を取った本人が実際出向いて繋ぎ役となる方がより円滑に進む。」
  3. ポイント3「頻繁な連絡が無ければ有耶無耶になってしまうので些細な事でも連絡を取って忘れられない様に心掛けるべきである。」

活動団体情報

代表者
龍大ラジオ下神白上映有志の会
永原 健志

連絡先
REC事務部(京都)

主な連携メンバー
越後屋(バンド)、龍谷大学政策学部松浦ゼミ、「コミュニティメディア政策」受講生、龍谷大学ボランティアNPO活動センター、京都市伏見区社会福祉センター、NPO法人音の風、京都三条ラジオカフェ、活字の学び、田中住宅。And Café等

活動開始時期
2023年10月

主な活動地域
龍谷大学深草キャンパス成就館

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