(1)事業の概要
深草学区および周辺住民を対象に、深草アーカイブに保存された写真や資料などの時間の流れのコレクションを活用し、地域学習とまちづくりを推進する。住民が地域の歴史や文化を学び直すことでその魅力を再発見し、地域への愛着と誇りを育むとともに将来の深草を担う人材育成につなげる。またイベントの企画・実施を通じて多世代交流を創出し、学び合いを基盤としたコミュニティ強化とコミュニティ・ツーリズムの発展を目指す。
(2)事業実施に至る経緯と背景
近年、地域活動の担い手不足や世代間交流の希薄化が指摘されており、また深草アーカイブ資料が十分に活用されていない現状があった。この背景を踏まえ、龍谷大学生として地域から求められるニーズに応え大学と地域社会の連携を深めることが重要だと考えた。本事業の実施は社会における課題発見・解決力を高め、多様な世代と関わりながら視野を広げることができる。地域と大学生、相互に意義のある取り組みであるとの認識から本事業の実施に至った。
(3)事業実施項目
(1)深草小学校コラボ授業(双六・カルタ)
深草小学校において総合的な学習の時間に、地域の歴史や文化への理解を深める活動を行った。深草の歴史を学べるカルタやすごろくといったゲームを幅広く取り入れることで、遊びを通して深草の魅力を学んで貰うことができた。
(2)ミートアップセミナー
深草アーカイブ実行委員の方々と連携し、ミートアップセミナーにおいて深草を知ってもらうための体験型ゲーム企画を実施した。深草を題材に作成したかるたや巨大すごろく、絵合わせなどの教材を活用し、子どもから親世代まで幅広い参加者が楽しみながら地域の歴史や特色について学ぶことができる取り組みを行った。
(3)アーカイブ実行委員会とのまち歩き
アーカイブ実行委員会と連携し、深草アーカイブに保存されている昔の写真を活用したまち歩き・ワークショップを行った。昔の写真をもとに、現在の街並みと見比べながら地域を巡ることで、参加者にまちの変化や歴史的背景を体感してもらう。また、写真をきっかけに当時の暮らしや出来事について語り合う時間を設けることで、地域住民同士や学生との交流の機会を創り、地域の記憶や文化を共有すると共に、深草への愛着や関心を高める取り組みを行った。
(4)深草小学校コラボ授業(平和学習)
子どもたちに自分たちの暮らす地域について学ぶ機会を創り、関心をもってもらうことを目的に深草小学校で平和学習を行った。自分たちが作成したスライドから、ガザでの紛争について知ってもらうと共に、自分たちが暮らす深草の地域が軍隊の街であったことについて学んでもらった。授業内では、聖母女学院が戦時中黒塗りであった理由や師団街道の「師団」という言葉の意味などクイズを交えながら、楽しく学べる工夫を行った。
(5)地域教材の開発(絵合わせカード)
深草地域を題材にした絵合わせカードを作成した。深草アーカイブに保存されている昔の写真と同じ場所で撮影された現在の写真を組み合わせて使用し、昔の写真と現在の写真を色分けし、それぞれ同じ場所同士を揃えてもらうという仕組みにした。
作成した絵合わせは、ミートアップセミナーで使用し、楽しみながら学んでもらうことができた。今後も様々なイベントや深草小学校とのコラボ授業においても使用し、幅広い世代に地域の魅力や歴史を伝えていく予定である。
(6)写真フレーム作りについて
私たちの活動は、地域住民に地域への関心を持ってもらうきっかけを、イベントという機会を通して提供することを目的としている。これまで深草アーカイブの写真を活用した展示や企画を行ってきたが、今後もより多くの人に本活動を知ってもらい、継続的な関心につなげていく必要があると考えた。そこで、活動の認知向上を目的として、深草アーカイブの写真を用いた写真フレームを制作した。本フレームは、今後のイベントや地域行事の場で展示し、来場者が写真を通して地域の歴史や魅力に触れるとともに、私たちのアーカイブ活動について理解を深めるきっかけとなることを期待している。
(4)事業の成果
- 特定の参加者が連続してイベントに参加してくださり、地域住民の関心を引き出し、連続してイベントをすることで関心を保つことができた。
- 小学校とのコラボ授業では、約120人の子どもたちに、地域教材を使ってもらうことができ、実際に深草のことについて質問をしてくれた生徒もいた。
→教育機関と連携して深草を担う次世代に、深草への興味関心を引き出すきっかけになった。 - 地域住民に深草についてのイベントを開催していると認知していただいた。
- 深草アーカイブの第二集写真集作成のまちあるきにて、深草アーカイブに掲載されている場所をまち歩きすることで、地域住民に深草アーカイブの活用を伝えるとともに、地域の変化についても紹介することができた。このまち歩きは2回の住民参加を開催して、連続で参加してもらうことで深草についてより理解を深めてもらった。また、懐かしむことで地域への関心を引き出した。実際に1回目のワークショップの次に開催したまち歩きでは、第1集の制作の際には参加していなかった住民が数人ほど参加していた。
(5)今後の課題と展望
今回の事業での課題は、イベント参加者の世代に偏りが見られ、特定の年齢層に集中してしまった点である。今後は、より幅広い世代が参加できる企画内容や広報方法を検討し、多世代が参加しやすいイベントづくりを行う必要がある。特に、子どもから高齢者までが共に楽しめる企画を取り入れることで、世代間交流の促進を図りたいと考えている。
また、「深草稲荷まち歩きマップ」については、他の活動との兼ね合いにより編集・改善の時間を十分に確保することができず、内容の充実に課題が残った。今後は、マップ編集を活動の中心の一つとして位置づけ、地域住民の意見を取り入れながら、より実用性と魅力のある内容へと改善していく予定である。
今後は、多世代が自然に交流できる場を継続的に創出し、地域に対する関心や愛着を持つ人を増やすことを目標とする。イベントや展示活動を通して、深草地域の歴史や魅力を発信し、地域活動への参加者の拡大につなげていきたい。
(6)事業実施を通じて見出された特長
ポイント1「連絡は早く行う」
ポイント2「若い世代を呼び込むには若者である大学生の意見は貴重になる」
ポイント3「継続的につながりを持っておくことが重要」
お問い合わせ
活動団体情報
代表者
廣山 永和
連絡先
価値創造推進部
主な連携メンバー
深草アーカイブ実行委員、深草小学校
主な活動地域
深草地域