都市部と山間部の姉妹交流「さと・まちコラボ」促進支援プロジェクト

活動の概要

地球環境の面でも、生活の質の面でもエコロジーは重要です。その象徴に里山があります。ただし、里山を守り営んでいるのは「里」です。その里が、過疎により解体の危機にあります。しかし、都市部の人間は過疎問題に無関心です。本取組みは、本学深草学舎が立地する砂川学区と、過疎に悩む京北地域が姉妹校区となり、相互の地域の良さを活かし合う過程に、促進的に関わることで学生の教育と研究に資することを目的にしています。

まちづくりについてのヒアリングの様子

活動の内容

2012年度に、砂川小学校と京北地域の小学校が交流を重ねていくことが、京都市教育委員会と砂川学区自治連合会と京北自治振興会の仲立ちで話し合われ、交流が始まりました。そのファシリテート役を本学教員がアドバイザーとして果たしました。

2014年度は、住民同士の交流も緒につき、警察学校での交流会のほか、3月には、本学の和顔館において赤松学長や行政関係者立会いのもと、両地区の住民による「姉妹交流に向けての集い」が開催されました。

2017年度は、6月に砂川小学校の児童が京北地域に招待され、京北の子どもたちと共に、清流での「鮎つかみ」体験を行ったあと、その場で鮎を焼いて食べる体験をし、「いのちの尊さ」を考える貴重な実践教育になりました。7月15日には、本学学生が京北地域を訪れ、自治振興会事務局長の講演と「道の駅」駅長の講演を聞かせていただき、過疎問題や地域振興に関して意見交換を行いました。

また、「京北やまぐにの郷」の見学研修を行い、自閉症の人たちの処遇のあり方を考えました。8月には、警察学校にて、砂川と京北の子どもたちが交流し、警察犬の訓練やカレーライスを戴く貴重な体験を、両地域の人たちと共にしました。10月には「多世代交流会」に京北の人たちもおよびしました。

学生は、地域女性会、自治連合会、少年補導委員会、社会福祉協議会等の交流活動の支援に関わることで、両地域の「まちづくり」、「地域活性化」に関する企画、運営支援の方法を身につけ、生きたエコロジーを学ぶほか、地域の諸課題や地域のマイノリティの問題についても、住民と共に、実践的に学び成長することができました。

警察学校での交流会

これまでの成果

“タコつぼ化”する地域社会にあって、「異質なものを開き結ぶ」実践の意義の浸透、および「協働によって高まる自治力」に貢献することができました。具体的には、「地域福祉の視点から都市部と過疎地域との地域協働の大切さをリアルに受けとめることができた。」、「京北地域の伝統と風土が分かり親しみがもてた。」、「里山がなぜ大事でどうやって護っていったらよいのかに関心が持てた。」、「“丹波マンガン”という日本の加害の歴史をはじめて知った。」との学生の意見が多く寄せられました。

地域住民との交流会

今後の目標・課題

  1. 学内の組織体制の整備と拡充。
  2. 交流プログラムの提案、たとえば、空き家の活用等。
  3. 過疎問題を都市部住民の課題にする方策提言。
  4. 過疎問題に関する政策提言。
  5. 「さと・まちコラボ」のプロジェクトの全国発信

受賞・助成採択実績

砂川学区自治連合会が、2016年度と2017年度、伏見区区民活動支援事業に採択され、助成金を交付されています。その企画等で助言しました。

【他団体・グループとの連携について】連携可

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活動団体情報

代表者
加藤 博史
(短期大学部教授)
専門分野:社会福祉学

主な連携メンバー
砂川学区自治連合会、京北地域自治振興会、短期大学部社会活動センター

活動開始時期
2012年

主な活動地域
砂川学区、京北地域

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