(1)事業の概要
フットパス開催による関係人口増加を目指し、その活動を地域創生のためのモデル事業として発信している。手段として地域の魅力を伝えるコース作成、右コースを用いたイベント開催をPRし、参加者に地域の魅力を認識させ、地域のファンとしてリピーターとなって貰うことを目的としている。また、地元フットパス関係団体の設立・展開。本活動により関係団体増加を促し、連携して地域での交流を盛んにする。東近江市のエコツーリズムの一環としてイベントを開催する。
(2)事業実施に至る経緯と背景
本事業はゼミの有志で取り組んでいる活動で数年前から東近江市と関わりがあり、今年度も協力し地域活性化を図った。東近江市をはじめ滋賀県では少子高齢化や人口減少が課題である。私たちはフットパスなど、地域での活動を通して、地域の魅力を地域外の人へ知ってもらい、地域への関係人口を増加させる。地元を盛り上げたいと考える地域の方々が自発的に地域整備を行う手助けをし、持続的な街を構築していくことを目標とした。
(3)事業実施項目
1.フットパスコース・マップ・パンフレット・チラシ・食事・メニューの作成
イベント実施の際に、参加者の方々にマップを配布しているが、マップ作成の際に注意を払った点は、歩きながらでも見やすく、情報過多にならないことだ。シンポジウムの際に参加者に配布したパンフレットには、講演してくださった方の紹介文や、今後の我々の活動を記載し、イベント参加を呼び掛けた。各イベント実施までに集客のためのチラシも2種類作成した。また、イベント勧誘のためのブース設置時に設置するのぼりのデザインや、ファンクラブ加入者へ配布するノベルティの作成にも尽力した。
2.フットパスイベントの開催
- 2023年5月27日和南で開催したフットパスイベント
- 2023年11月11日君ヶ畑で開催したフットパスイベント
- 2023年11月18日杠葉尾で開催したフットパスイベント
- 2023年12月8日番場フットパス
- 2023年12月9日 シンポジウム
- 2023年12月10日 平田フットパス
3.現地調査・ヒアリングの実施
- 2023年7月15日君ヶ畑、八日市視察
- 2023年9月2日杠葉尾の視察とワークショップ
- 2023年11月11日・18日多武峰街道農泊活性化協議会フットパス事業
- 2023年11月2日滋賀県庁ヒアリング
- 2024年1月31日滋賀県ウォーキング協会へのヒアリング
4.広報活動での展示・配布
行った広報活動として、①ヒガエコ②スポーツ用品店ゼビオ③道の駅、奥永源寺渓流の里での活動④グッズづくりやインターネットでの広報と言ったものが挙げられる。
①ヒガエコ
今年度私達が開催したイベントの一般参加者の多くが、イベント参加のきっかけは「ヒガエコ」を見たことだと仰っていた。
②スポーツ用品店ゼビオ
作成したチラシの設置場所について会議では、「フットパスは体を動かし、その地域の魅力を発見していくこと活動である」ということから、スポーツ用品店への設置を試みることにした。チラシ設置の検討地としては京都駅や大阪駅といった人通りの多い駅にあるスポーツ用品店であるゼビオ様に快くご協力して頂いたが、大きな効果を実感することはできなかった。
③道の駅での広報活動
「奥永源寺渓流の里」を訪れていた方にイベント勧誘活動を行った。作成したチラシを見せ、イベント内容、また、ファンクラブの存在を伝えた。
④龍谷大学フットパスのグッズ作り
ファンクラブ加入者に対して、ノベルティグッズの配布を行った。ノベルティとして、我々の団体名入りタオルを作成した。
(4)事業の成果
- 過疎化が進み、空き家の増加や土地の保全が追い付かないといった課題を抱えている地域の復興
- 大人数で歩くこと、地域の方と話すことの楽しさの認識をするなど、新たな視野の獲得
- 人と繋がる場や機会の獲得
- 持続可能な町づくりの促進
- フットパスの認知
(5)課題と今後の展望
フットパスイベントを終えて見えた課題は主に①イベントの周知、集客、②コース作成である。
①について、集客はイベント開催前から課題だと認識していたが、イベント当日までに十分な集客をすることができたわけではなかった。チラシの設置に力を入れていたが、実際にそれを見て参加する方は少なかった。広く一般の方に周知するのではなく、ウォーキング団体や大学の地域活動をしている団体にアップローチすることが大切であると感じた。SNSでの広報活動では、投稿頻度が定期的でなかったことや、その投稿内容が偏っていたことが課題だ。ファンクラブも開設したが、入会者は極めて少数だった。イベントに参加していない状態でファンクラブに入会するということは、参加者側からはすれば不審に思われても仕方がなく、活用方法の見直しをするべきである。
②に関して、コースの全長を約6kmと長く設定しているため、折り返して歩くルートもあり同じ道を再び通ることになる。そこでコースに飽きを感じさせないことが重要である。見どころである植物にはその名札をかけ、絶景ポイントにはそれを知らせる標識などを作りたい。その他、コースを快適に楽しく歩いていただくための工夫はこれからの課題である。
イベント当日には予想外の事態に対応ができず焦ることもあったが、イベント事態は滞りなく運営できたと考える。トラブルはこれからも起こりうることであるので、マニュアルに書き記していき次につなげていけるよう工夫する。
イベント開催やそれまでの準備としての取り組みが大きな規模に発展したわけではない。しかし、活動を通して学生がこのように地域の課題に対して取り組む姿を見せることは、地域の方々や行政にとっても効果的であると考える。今後、新たなフットパスコースを作るためにも、協力してくださった団体の方とのコミュニケーションを大切にしていきたい。フットパの醍醐味は、景色や歴史を楽しむだけでなく、人と直接話しをすることで繋がりを持ち交流することができることではないだろうか。交流も持つことで、より良いフットパスを作り上げる上での助言や知識をいただき、さらにレベルアプしたコースを作っていきたいと考える。
(6)事業実施を通じて見出された特長
- ポイント1「学生が地域の課題に対して取り組む姿を見せる」
- ポイント2「上級生の活動を踏まえながら新たな取り組みを行う」
- ポイント3「地域の声を聞く」
- ポイント4「コミュニティ形成」
活動団体情報
代表者
龍谷フットパスプロジェクト
藤原 亮太
連絡先
REC事務部(京都)
主な連携メンバー
東近江市市役所、木地師のふるさと高松会、雪野山の森・里山クラブ、番場の歴史を知り、明日を考える会、日本フットパス協会、美里フットパス協会、北九州市立大学地方創生学群廣川ゼミ
活動開始時期
2017年4月
主な活動地域
滋賀県