大岩街道周辺地域活性化プロジェクト (社会連携・社会貢献部門)(2024年度龍谷チャレンジ採択事業)

(1)事業の概要

二ヶ月に一回大岩街道周辺地域の清掃活動とまた、班の活動をまとめた広報誌のちきれん通信の配布を行った。加えて事業者インタビューを行いちきれん通信に掲載することで交流が希薄だった住民や事業者同士の交流を創出するきっかけを作った。現地の畑では野菜や花を育て、竹を有効活用した地域交流イベント開催やふれあいプラザへの出店を行った。さらに、大岩街道周辺地域に残っている掲示板を地域関係者と協議の元新しく制作し直した。

(2)事業実施に至る経緯と背景

大岩街道周辺地域では、平成22年にまちづくりの方針が策定され、各地域にまちづくり協議会が設立され、地区計画策定に向けた議論が開始したものの、特にBエリアにおいては地域関係者による主体的なまちづくりが十分に展開していない背景があった。住民・事業所からの不法投棄や放置竹林が多く清掃活動が必要であるといった声があること、行政側はまちづくり・地区計画に関する事柄に住民が主体性を持って、取り組んでほしいと思っているという経緯から事業実施に至った。

(3)事業実施項目

(1) 大岩街道周辺地域の景観向上への取り組み(清掃活動・畑・竹灯籠)

主に3つに分けて取り組んだ。1つ目が清掃活動で、2ヶ月に1回、放棄されたごみを回収した。特に、高速道路付近はごみが廃棄されやすいので入念に拾うよう心がけた。2つ目は畑である。2回に分けて別のものを植え、1.2月の前半は、チューリップを植えて景観向上を目指した。咲いたチューリップの花びらは、ラミネートで栞にした。6.7月にかけての後半には、夏野菜のトマトとオクラを植え、毎日水やりを行った。トマトは虫に食べられ、育てられなかったが、オクラは成功した。しかし、班活動に上手く活用することができなかった。3つ目は、竹灯籠である。竹林を利用し、オリジナルのデザインで、竹灯籠を制作した。できた竹灯籠は、大岩に飾り、景観向上を図った。

(2) 地域交流イベントの開催(竹パーティー、大岩ぽかぽかウィンターパーティー)

2つのイベントを行った。1つ目は、9月に行った竹パーティーである。放置竹林を活用して、竹バウムクーヘンを作り、できた竹バウムクーヘンは、地域や事業所の方々や、深草支所の方々、そして京都市長にも振る舞った。また竹バウムクーヘンを作っている間に、班に分かれて清掃を行うことで、清掃を通じて、地域間交流も行った。2つ目の大岩ぽかぽかウィンターパーティーは、12月に行った。内容は、焼き芋と豚汁の提供で、食べながら地域の方々と交流した。

(3) 広報誌の配布

2ヶ月に一度、事業所と住民の方々に向けて広報誌を配布した。内容は二ヶ月の活動内容を知ってもらう為の活動報告がメインであるが、イベント開催前にはそのイベントの告知を行い、より多くの方にイベントへの参加を促した。また、配布はなるべく直接手渡しで実施しており、配布の過程で学生が地域の方々とふれあう機会を増やした。これらの掲載内容に加えて9月以降に配布された3回の広報誌では裏面に新たに事業所へのインタビュー記事を掲載した。目的は事業所同士の認知と住民に対しても事業所の存在を知ってもらうやことである。

(4) ふれあいプラザへの出店

10月にふれあいプラザへ出店した。今年度の出店では大岩街道周辺地域の魅力を地域内外関わらずより多くの人に知ってもらうことである。竹を使った子ども向けのゲームや竹でフォトフレームを作成し、大岩街道周辺地域にて事前に撮影した写真を背景に記念写真を撮影できるフォトスポットを企画した。そのほかブースには活動をまとめたパネルを設置し来てくれた方々に活動内容や、大岩街道周辺地域をまとめたチラシを配り、魅力の周知を行った。

(5) 大岩MAPの制作

地域関係者と協議の上、協力が得られた事業者を明記し、地域の特色ある産業や注意事項などを発信するMAPを制作した。今後、事業所や私有地などの協力を得ながら、現地への掲示を進めていく。

(4)事業の成果

  • 清掃活動では最初と最後を比べて約半分以上にまでゴミの量を減らすことができた。畑の活動では冬にチューリップの球根を100個植え、育てた結果春にチューリップ畑が実現された。深草支所の方からも鮮やかなチューリップ畑できれいだと言っていただけた。竹灯籠は街灯の少ない箇所に7つ設置し、夜間のライトアップを行うことで地域に明るさをもたらした。
  • 地域交流イベントでは、夏は地域関係者5名が参加し、竹フォーク作りなどを通して住民同士・学生との交流を行った。途中から京都市長にも参加していただき、行政と地域住民の交流も実現した。冬のイベントでは事業所の方と地域住民の方合わせて30名に参加していただき、地域交流を行うことでエリア間の交流を実現した
  • ふれあいプラザでは子ども向けゲーム、全年代に楽しんでもらえるフォトスポットに竹を使用することで大岩の魅力が最大限に伝えられるものにした。来ていただいた方に活動の説明や、チラシを配った。ゲームへの参加に景品を付けた成果もあり、ブースには100組を超える方々に来ていただき、大勢の人に大岩地域の魅力を伝えられることができた。
  • 広報誌は地域住民の家や事業所に向けて配っており活動内容を報告することで、地域の中でのちきれん班の名前を広め、活動を認知していただくことでイベントにも足を運んでもらえるようになった。

(5)今後の課題と展望

今回の事業での課題は地域住民の高齢化により、イベントを開催しても来てくれる人が少ないことを挙げる。イベント参加へのハードルが高齢化と共に上がっていると考えられる。また、ポイ捨て防止の対策を考えたものの、周囲の環境から実施できないものがほとんどだった。定期的な清掃活動で結果的にポイ捨ての減少には繋がったが、防止できる効果的な取り組みができなかった。
今後はイベントに来てくれる人の固定化といった問題に対しては、イベント参加への地域住民の方々のハードルを下げられるような取り組みをするべきであると考える。また、事業所の人に参加してもらえる事業所同士の交流が生み出せるような活動も行うことができれば良いのではないかと考える。ポイ捨て防止に関しても自分たちでなにかするより事業所と関わりあっていく中で協力を得られるような方法を考えていくべきだと考える。

(6)事業実施を通じて見出された特長

  1. ポイント1「連絡はまとめてではなくこまめにとる」
  2. ポイント2「地域の人とは直接話せるときは積極的にコミュニケーションを取る」

活動団体情報

代表者
橘 茉依

連絡先
REC事務部(京都)

主な連携メンバー
京都市伏見区役所深草支所地域力推進室大岩街道周辺地域環境整備課、京都大学大学院神吉研究室、NPO法人京都・深草ふれあい隊 竹と緑

主な活動地域
大岩街道周辺地域

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